鑑賞日 3月8日
監督 矢口史靖(ウォーターボーイズ スウィングガールズ WOOD JOB!神去なあなあ日常など)
出演者 小日向文世 深津絵里 泉澤祐希 葵わかな
90点
目次
観るか迷っていた
僕はいつも地元のイオンシネマで映画を観ているのですがその時にサバイバルファミリーとのコラボCMみたいなのをやっていて小日向さんがギャアギャア叫んでいたのを観て「僕には合わない映画だな( ー̀ωー́ )」なんて思っていました。
でも矢口監督の前作「WOOD JOB!」が非常に面白かったのでどうしようか悩んでいたらちょうどいい時間に上映していたのでふらっと観に行きました。
結論から書くと
「マジで観て良かったあぁぁーー(ง`▽´)ง」
僕の家族に非常に似ている登場人物
映画を観ていてずっと「すげー俺の家っぽい」って思ってました。
大学生の賢司(泉澤祐希)と父親の義之(小日向)のやりとりで、「お前ちゃんと喋れ!」とか最近も言われたし家にご飯があるのに外で食べてるし、妹の結衣(葵わかな)が父親とか兄をバカにしてる感じも僕の妹っぽいと思ったし。
なにより父親の義之の言動が僕の父親にそっくりでビックリしました。あの虚勢を張って「俺は一家の大黒柱なんだ」と言わんばかりの態度は僕がよく知る父親像だったのでめちゃくちゃ感情移入してました。
劇場で爆笑が起きたシーンの母親が「お父さんがそういう人だったって分かってたじゃない」ってセリフもうちの母親が言いそうだなぁと。
前半はあまり楽しめなかった
停電が起きて東京を出るまでは正直微妙でした。マンションの前での井戸端会議はすげー嘘くさかったし(ほとんどのシーンが周りの音を消すためにアフレコをしたらしいですがそれの違和感?)空港に着いた時にフェンスによじ登ってる人も何がしたいのか意味不明だったりで観ていて辛かったです。
スマホの電源が入らなくなった時に画面をひたすらトントンするのも「こんなこと女子高生は絶対やらねーψ(○ `∇´ ○)ψ」と思ってしまったし。
話が進むにつれてグイグイ引き込まれる
そんな感じで観ていたのですが高速道路に入ったあたりからどんどん面白くなっていきました。
「水を売ってくれ」と頼まれても最後のひとつと嘘をついた後に水を盗まれて、その人を追うと赤ちゃんのミルクを作るために仕方なくやったことを知り許してあげるシーンは非常にグッときました。
そしてその後に出てくる時任三郎演じる斉藤さんファミリーが最高でした。
この意識高い系スポーツマン一家は、「本当にこういう人いそう!」と思わせるベストキャスティングだったんじゃないでしょうか。藤原紀香の母親役もナイス!
「大阪に電気があっても僕は行かないな。この状況を楽しまないと( ´_ゝ`)」がツボでしたw
大阪に着いてお父さんが自分でダメな父親と自覚した後に家族のために土下座をしたのには号泣してしまいました。
“家族”を取り戻す話
孤独に生活していた田中善一(大地康雄)が「お前たちさえ良ければ残っていいぞ」なんて言うシーンにはグッときました。唯一音楽が流れる別れのシーンではまたもや号泣してしまいました。
「下手クソだなー」なんて言いながらもすごい楽しそうな顔をしているんですよね。
豚を食べて結衣が泣くシーンもベタだけどよかったと思います。
ほとんど会話をしていなかった家族が少しずつ喋るようになっていく流れも見事でした。
最初に夜空を見ていた時に母親は手を繋ぐのを拒絶したのにここでは自らつなぎますし。
「犬怖い!」はある小説と近い発想
食糧難になった時って犬めっちゃ怖くね?というのは荻原浩さんのオイアウエ漂流記を思い出しました。
みんな犬かわいいとか言ってるけど食いもん与えないとめっちゃ怖いからね!!
無人島の話ですが便利さを失って色んなことに気づく話という意味では似てるなと思ったし、肉が食べたくてウミガメを捕まえようとするのが今作の豚を追いかけるシーンと近いなと。
便利さに甘えすぎるのは良くない
電気が戻ったあと、自転車通勤にしたりお弁当を持っていくようになった家族の元に意識高い系スポーツマン一家から写真が届いて終わるラストは素晴らしかったです。
僕も携帯電話の普及で便利になったせいで待ち合わせに遅刻する人が増えたんじゃないかとか居酒屋で友達に言ったりしている人間なのでこの映画のメッセージはズバズバ刺さりました。
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