鑑賞日 2月23日
監督 エリザベス宮地(井上苑子や竹原ピストルのMVなど)
出演者 BiS、SiS、GANG PARADE
99点
目次
BiSキャノンボールの続編的な作品
この映画ができるのに2つの映画が関係しています。
まずカンパニー松尾さんが作っているAVをドキュメンタリー作品としてテアトル新宿で公開した「劇場版テレクラキャノンボール」が口コミにより大ヒットしました。
それを観たBiS(全裸PVで話題になったアイドル)のマネージャーでありプロデューサーの渡辺さんが解散ドキュメントを撮ってほしいとカンパニー松尾さんに頼んだのが「BiSキャノンボール」です。
こちらも大ヒットしてテアトル新宿のレイトショー実写作品でのNo1の売り上げを叩き出しました。
BiSキャノンボールはアイドルは大人に搾取されている生き物だということを映し出した傑作だと思っています。
解散したBiSをまた復活させることになり、最終オーデションである3泊4日の合宿のドキュメンタリーを撮るカンパニー松尾さんたちにキャノンボールを仕掛けようと言うのが今作の当初の企画でしたので続編という見方ができると思います。
リアルタイムで観てました
この3泊4日のオーディションはニコ生で生放送されていたのですが僕も半分くらい観ていました。
これが本当に面白くて頑張っているみんなに感情移入してしまって全員合格してほしいなんて思ったりして観ていたので結果が出た時には涙してしまいました。
しかし落ちたメンバーに救済措置としてBiSの公式ライバル「SiS」を作ることを伝えられ4人が参加することになって僕も喜びました。
ちなみにSiSは渡辺さんと同期の清水さんの名前から来ていると思われ、渡辺さんは関わることなく清水さんがプロデューサーになるとのことでした。
これがこの映画の始まりになってしまうとは。
何が起きたのか意味不明だった
オーディションから1ヶ月後にSiSがファーストライブをやったのですがその次の日にいきなり解散が発表されました。
9/25にお披露目ライブを行いましたSiSですが、大変勝手ながら活動を中止する事になりました。理由は結成責任者である清水がグループ活動に対して重大な背任行為を行った為、スタッフ間の話し合いの結果、今回の結論に達しました。
— SiS OFFICIAL (@SiSidolOFFICIAL) September 26, 2016
いきなりすぎて意味が分からなかったし一度オーディションに落ちた子がもう一度頑張ろうとした直後にこんなことをしたら自殺でもしてしまうんじゃないかと心配になりました。
それからしばらくして渡辺さんがプロデュースしているアイドル「GANG PARADE」に加入すると発表されました。
リアルタイムで追っていた時はめちゃくちゃすぎてついていけませんでした。
そして発表された「SiS消滅の詩」
オーディションのドキュメンタリーをスペースシャワーで放送した最後に今作の劇場公開が発表されました。
ここまで追っていたので少しでも何があったか知りたいと思うだろうし全部仕組まれたことなのかと疑いました。
ここまで「観たい!」と思わせるのはさすが渡辺さんですね。
作りが非常に上手い
ということで公開から2週間くらい経ってから観に行って、この言葉が正解か分かりませんがめちゃくちゃ楽しかったです。
まずインターンの子にナレーションを読ませて外側からの視点から始めたのが大成功だと思います。
アイドルを知らない人にも楽しんでほしいとのことでやった演出らしいのですが、これのおかげでこの人の視点で観られるので感情移入もしやすいと思います。
3泊4日もあったオーディションから解散騒動、その後のメンバーの話を104分にまとめる編集も見事でテンポよく観られました。上手くない人が作ったら2時間以上の映画になってたと思います。
アイドルだけの話ではない
この映画で一番印象に残るのはやはり解散をSiSのメンバーに伝えるシーンだと思います。
大人が若い女性に土下座したり、「何でこんな時に撮られてるんですか?」とアイドルが言ったことに対して「事実だから回している」とか「芸能界は狂ってるんだよ」と答えたり、芸能界の現実を突きつけられる瞬間を撮っちゃった瞬間で非常にスリリングでした。
オーディションの時にビーバップみのるさんが「今まではアイドルという夢を見てたけどアイドルになったら現実を見るってこと」と言っていたのがこのシーンで体現されていてグッときました。
これってアイドルだけでなく芸能界全てに言えることでホントに大変な仕事だと思いました。
さすがに不祥事の件はボカしてましたが察しろということなんでしょうか。
この映画は解散の理由を明かすのがテーマではないということですね。
むしろアイドルは清水さん
SiSのメンバーをGANG PARADEが引き取るという連絡を聞いた清水さんが「おかしい!」「バカじゃないか!」と激怒しているのを見て、「お前が言うなよ」とイラっとしましたが、見ているうちにどんどん可愛く見えてきてアイドル感がある人だなと思いました。
渡辺さんが頭を坊主にしたのを見て自分も坊主にしたりGANG PARADEに入った元SiSメンバーに敬語で話している時の怯えた目とか
「めっちゃアイドル!」
とか思ったり。天然なんですかね?
この映画を楽しんでしまう自分
この映画って基本的に不幸になった人がいたから成立してる作品で結果的に救われた人もいるけどそのまま消えてったメンバーもいるわけで。
結局搾取する側される側の構図が商売になるのがドキュメンタリーだったりアイドルだったり芸能界なんですよね。
それを再認識させてくれるということでも素晴らしい映画だと思います。
ただ渡辺さんは「辛い時こそ楽しもう」とよく言っていて、この映画もそれを表現していると思うし僕も最近婚活が上手くいかなかったりしたことをブログに書いて他の人に楽しんでもらったりしてるのと重なったりしました。(規模は全然違うけど)
何かがあったメンバーを他のグループに入れて注目させるのは指原をHKT48に移動させたニュースを思い出したりして渡辺さんも秋元康クラスの頭脳を持っているんだなと思いました。
映画は最高だけど楽しんでしまう自分は最低。なんて思ったりできて個人的にはBiSキャノンボールより楽しめましたしGANG PARADEも応援したくなりました。
そしてこの映画化をOKした清水さんマジすげーアイドルだと思いました。
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